当社のかきもちは、本当の手作り感を活かした製法です。
創業昭和2年の我が社ですが、あられかきもちの工場をご覧いただくと、専門家は「もっと効率化できる」とアドバイスすると思います。しかし、そこには我が社のこだわりがあるので、耳を傾けません。
私の祖父の岩木米蔵は、15歳で京都の米菓会社で丁稚奉公で学んだのち、福光に戻りかきもちづくりを始めました。それが我が社の創業です。
当時は、もち米を蒸して、木の杵臼でつき、乾燥させて、じっくり焼く―――という時間のかかる作業を、完全手作業で作っていたと聞いています。これが徐々に「美味しい」と評判になり、もっと多くの人に味わっていただこうと先代で機械化に取組みました。
2代目の父は「機械による効率化で、このかきもちの本当の味を失ってはいけない」という思いから、県外からやってくる機械鋳造会社の職人さんと、かきもちを製造する大きな機械を、当社の納得いくまでカスタマイズする日々を過ごし、独自の製造ラインをつくりました。もち米の蒸し機、それをお餅にする、じっくり乾燥させる、そして直火で焼く。機械自体は古いですが、初代米蔵の味を再現してくれるかけがえのないパートナーで、今でも自社でメンテナンスをして動かしています。
地元を代表する特産品に成長。
やがて地域に広がった「あられかきもち」は、南砺市福光地域を代表する特産品となり、富山県内外で多くの方に親しまれています。
我が社が位置する南砺市福光高宮地域は、浄水機能のある医王石の産地である医王山と加賀富士といわれる大門山などの山々に囲まれ、工場周辺は雄大な田園風景が広がっています。使用している水は工場敷地内約100mより汲み上げた深層地下水を使っており、雄大な山々から数十年かけてこの地にやってきた水を使わせていただいていると思うと、製品への思いもひとしおです。
富山湾の宝石と称されるしろえびをつかった“しろえびあられ”、黒豆、海苔、昆布等、かきもちを彩る副材料についても、これまでのご縁を大切にしながら、私自身が一番良いと思うものを選んでいます。
地域と、仲間と共にこれからも、最高のかきもちを
商品については、改良・改善の日々ですが、開発の軸は“美味しさ・品質”にあります。世の中には、もっと製造能力をあげるための技法があるかもしれませんが、単なる効率化やコストダウンのような目先だけの利益でなく、美味しさと安全面を第一に、これからも多くの方に本物のかきもちを味わってもらいたいと思っています。
日頃から社員の方々に伝えていることは「凡事徹底」。地域社会の一員であることを自覚しながら、ご縁で繋がった仲間たちとこれからも、最高のかきもちを創ってお届けしたいと思います。ぜひ、あなたも味わってみてください。
株式会社丸米製菓 代表取締役